日本人の死亡原因の1位となっている「がん」。
その中でも胃がんと大腸がんは男女ともに死亡人数で上位です。
しかし、胃カメラや大腸カメラを使った内視鏡検査により早期に発見することで、完治につなげることができる場合があります。
どんな検査なのか動画を作成しましたので、ぜひご覧ください。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
男性 | 肺 | 大腸 | 胃 | 膵臓 | 肝臓 |
女性 | 大腸 | 肺 | 膵臓 | 乳房 | 胃 |
男女計 | 肺 | 大腸 | 胃 | 膵臓 | 肝臓 |
※赤文字が内視鏡検査で調べられるがんです。
※元データ:人口動態統計によるがん死亡データ
厚生労働省から発表された「令和4年(2022年)人口動態統計による全国がん死亡データ」によると、日本人の死亡原因の1位は男女ともに「悪性新生物(がん)」でした。
男性は3人に1人、女性は4人に1人が、がんで亡くなっていることになります。
胃や大腸は、肺や膵臓など他の臓器に比べて検査がしやすいため、定期的に検査を受けていれば、もしがんが発生しても早期に発見できます。早期であれば、負担の少ない治療で完治することもあります。
一方で、健康に自信があり、今まで病院にかかったことがないという方ほど、症状が現れてから病院を受診し、かなり進行した状態でがんが発見されることがあります。進行した状態では治療法が限られ、亡くなるまでの期間が短いこともあります。
毎年、上下部内視鏡検査を受けることで、胃がんや大腸がんで命を落とすリスクを減らすことができると考えられます。
当院で内視鏡検査を受けていただくメリット
01. 清潔で安全な院内
当院では検査・治療に関わる器具(マウスピースやポリープ切除のためのスネア等)の多くは検査毎に使い捨てのものを使用し、使い回しは行いません。また自動内視鏡洗浄消毒機(FUJIFILM社製)を使用して、日本消化器内視鏡学会の内視鏡洗浄・消毒ガイドラインの手順に従って検査毎に洗浄・消毒を行っております。これによって患者さんへの病原体の感染を予防し、安全に検査を受けていただけます。
02. 検査時の苦痛が少ない
胃および大腸内視鏡検査を受ける際の苦しさや痛みを軽減するために、鎮静剤の注射を使用します。検査当日は車、バイク、自転車の運転はできませんのでご留意ください。また当院では炭酸ガス送気システムを導入しており(通常は空気を送り込む施設が多い)、検査時のお腹の張りを軽減します。またスコープ径の細い経鼻内視鏡による胃カメラ検査も可能です。
03. スピーディーに検査を受けられる
大腸内視鏡検査は、最短で受診した翌日に検査をうけることができます。また検査時に治療すべき大腸ポリープが見つかった場合はその場で切除します。(ポリープの形状によっては入院治療が必要な場合もあります)
04. 快適な環境で検査を受けられる
2017年1月にオープンした内視鏡センターで検査を行います。検査後は快適なリカバリースペースにて休んでいただきます。
05. オンラインで結果説明が可能
オンライン診療システム「CLINICS(クリニクス)」を使用して、内視鏡検査の結果説明をうけることができます。スマホまたはPCで受診できるため来院の必要がなく、待ち時間もありません。薬の処方がある場合はご自宅に郵送いたします。
06. 同日に2つの検査を受診可能
胃カメラと大腸カメラの検査を同日に受けていただくことが可能です。2つの検査が病院に来てから3時間以内に終わりますので、お時間がなかなか取れないという方も、まずはお気軽にご相談ください。
07. AI画像診断システムを導入
AI技術を活用して大腸ポリープ等の病変をリアルタイム検出・鑑別を支援するシステム「CAD EYE」を2021年3月に導入しました。内視鏡画面内にポリープ等の病変と疑われる箇所を検出すると、枠で囲って表示するとともに検出音が鳴ります。腫瘍性の場合には黄色、非腫瘍性の場合には緑色で鑑別結果が表示され、医師の診断補助を行うという画期的なシステムです。
胃カメラ(上部消化管内視鏡)
口または鼻から内視鏡を挿入し、食道・胃・十二指腸の途中まで観察を行います。
検査前に喉の麻酔や鎮静剤の注射を行うことで、検査中の苦痛をできるだけ軽減します。検査時間はおよそ5分から15分程度です。
下記に該当する場合はお早めに検査を受けてください
- 上腹部の痛み、不快感がある
- 吐き気がある、嘔吐・黒い便が出る
- 胃バリウム検査で異常を指摘された
- 食道がん、胃がんの治療をしたことがある
- 胸焼け、喉や胸のつかえ感がある
- 空腹時におなかが痛くなる、食後に胃が重い
- 過去に胃潰瘍、十二指腸潰瘍になったことがある
- 肝硬変と言われている
- 貧血を指摘されている
- 体重が急に減った
胃カメラの料金
料金表 | 1割負担 | 2割負担 | 3割負担 |
---|---|---|---|
検査のみ | 約1,500円 | 約3,000円 | 約4,500円 |
検査+病理組織検査(胃の細胞を採取し検査) | 3,000円~5,500円 | 6,000円~11,000円 | 9,500円~16,500円 |
電話でのお問い合わせ:06-6905-8833
ピロリ菌(正式名称:ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の中にすみつく細菌です。
多くの場合、幼少期に家庭内での生活(食べ物の口移しや衛生環境の影響など)を通じて、知らないうちに感染することが多いといわれています。
感染後は胃の中に住み続け、慢性的な胃炎や胃潰瘍の原因となります。さらには胃がんのリスクを高める可能性もあり、胃がんになる方の多くがピロリ菌に感染していると言われています。
しかし、ピロリ菌は「除菌治療」によって取り除くことが可能です。そのため、まずは感染の有無を調べるための検査を受けることが大切です。
ピロリ菌に感染しているかどうかの検査は、医師が必要と判断した内視鏡検査の一環として行う場合、健康保険の適用となります。
一方で、「内視鏡検査にはちょっと抵抗がある…」という方のために、当院では自費での血液検査もご用意しております。
なお、ピロリ菌に感染している、感染していた方は胃がんのリスクが高いとされていますので、1年に1回胃カメラを受けていただくことが推奨されています。
*当院ではヘリコバクター学会認定医が検査を担当します。
大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)
肛門から内視鏡を挿入し、大腸(結腸)全部と小腸とのつなぎ目付近まで観察を行います。
下記に該当する場合はお早めに検査を受けてください
- 便が細くなった気がする
- おなかが痛い、よく張る感じがある
- 便潜血反応が1回以上陽性だった
- 大腸ポリープを切除したことがある
- 便秘・下痢が続く、繰り返す
- 血便がでる、お尻を拭くと紙に血がつく
- 家族や親族に大腸がんの患者がいる
- 排便後すっきりしない
- 健診で貧血と言われた
- 40歳以上になった
大腸カメラの料金
料金表 | 1割負担 | 2割負担 | 3割負担 |
---|---|---|---|
検査のみ | 約2,000円 | 約4,000円 | 約6,000円 |
検査+病理組織検査(細胞を採取し検査) | 3,500円~6,000円 | 7,000円~12,000円 | 11,000円~18,000円 |
検査+ポリープ摘出術 | 7,000円~10,000円 | 14,000円~20,000円 | 21,000円~30,000円 |
電話でのお問い合わせ:06-6905-8833
健診などで便潜血検査を受けたことがある方も多いと思います。
便潜血が陽性の場合、大腸ポリープや大腸がんの可能性がありますが、特に40歳以上の方は、毎年検査を受けることで、大腸がんによる死亡率を減少させる効果があるとされています。
便潜血検査による大腸がん検出率は、進行がんで60~75%、早期がんで30~40%程度と言われていますが、2日間連続で検査を行うことで、検出率が10~15%程度改善するとされています。
つまり便潜血が陰性だからといって、大腸がんがないとは言い切れないのです。
完全な検査というものはありませんので、便潜血検査と大腸内視鏡検査をうまく組み合わせて、より効果的に検査を進めることが大切です。