スタンダード・プリコーション(標準予防策)について

感染予防について

先日、WHO(世界保健機関)が「新型コロナウイルスはパンデミックといえる」と発表しました。日本でも学校が休校、企業はテレワークを導入するなど、かつてないほどの措置がとられていますね。感染しないように外出も控えられていると思いますが「コロナウィルスにかかるかも!?」と不安になって、どこか調子が悪くても病院に行くことを不安に思っておられる人もいるのではないでしょうか。

当院は通常通り、「スタンダード・プリコーション(標準予防策)」を徹底して診療・治療を行っています。医療や介護の現場では基本となる感染予防対策ですが、感染予防一般にも適用すべき方策として今、改めて注目を集めている「スタンダード・プリコーション」についてご説明したいと思います。

 

スタンダード・プリコーション

スタンダード・プリコーション(標準予防策)とは、全ての患者・医療従事者を感染の危険から守るために1996年に米国疾病予防管理センター(CDC)が提唱した感染予防策。感染症の有無にかかわらず、すべての人が何らかの病原体を持っていることを前提として、血液、汗以外のすべての体液、分泌物、嘔吐物、排泄物、傷のある皮膚、粘膜等が感染原因になりうると考えて対応することです。

1985年に米国疾病予防管理センター(CDC)が提唱したユニバーサル・プリコーション(一般予防策)は、特に「エイズ」対策を目的としたもので主に医療従事者を感染から守るための予防策でした。このユニバーサル・プリコーションを拡大し、全ての患者を対象に未知の感染症に対する防御策として改良されたのがスタンダード・プリコーションです。

 

スタンダード・プリコーションの具体策

具体的な対策としては、手洗い、手袋の着用をはじめとして、マスク・ゴーグルの使用、エプロン・ガウンの着用と取り扱いや、ケアに使用した器具の洗浄・消毒、環境対策、リネンの消毒等があります。

  • 手指衛生・・・・手袋の着用の有無にかかわらず一患者一処置ごとの手洗い(同一患者の他部位に触れる場合でも他部位への感染を避けるため手を洗う)
  • 適切な個人防護具の使用・・・患者の体液に触れる可能性がある場合は、手袋・マスク・ゴーグル、必要に応じてフェイスシールドや防水ガウンなどを着用
  • 鋭利機材の適切な取り扱い・・・針やメスなどの鋭利な刃物からの感染を防ぐために適切な取り扱いと廃棄
  • 使用器具、エプロン・ガウンなどのリネンの適切な廃棄、洗浄・消毒・滅菌
  • 環境対策・・・病室・洗面所・トイレ・浴室・処置室・汚物処理室などの清掃、または清掃しやすいように整頓
  • 必要な場合は患者の隔離・・・環境を汚染させるおそれのある場合は個室を用意する。

当院でも、スタンダード・プリコーションを基本としてより一層の注意を払いながら、一日も早い新型コロナウィルスの終息を願っています。

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