睡眠アプリで健康管理

今年は酷暑だっただけに、肌寒くなってきた秋が例年よりも気持ち良く感じられるのではないでしょうか。そして「秋の夜長」を楽しんで就寝が遅くなることもありますよね。ただ、「秋の夜長」は、人間を含め動物にとって、夏の疲れを癒すためにも冬に向けて本能的に睡眠時間が長くなるという意味で、夜更かしを勧める言葉ではないのです。もともと人間に備わっている身体を守るための自然なリズムに従って、夏よりも少し長めに睡眠をとるように心がけましょう。前回のコラムで睡眠を可視化できるアプリ、ポケモンスリープについて書きましたが、今回は、他にもたくさんある睡眠アプリの中からいくつかご紹介しますね。睡眠は健康と密接にかかわっており、睡眠管理は健康管理と言えます。無料でも多機能なアプリはたくさんあるので、上手く使って睡眠を楽しみながら健康管理していきましょう。

睡眠アプリで自分の睡眠と向き合おう!

睡眠アプリは、寝ている間の身体の動きや音を記録してグラフ化。それを「睡眠の状態を可視化できる」と言葉で表現すると「ふーん。。。」となりがちですが、一度使ってみると、なかなか満足感があって楽しいものです。もちろん、アプリによって測定範囲や精度がそれぞれ異なりますし、専門機関の睡眠データと比較すると完璧なものではないですが、無料で使えるアプリはやはり手軽。また睡眠データだけでなく、アラームやいびきの録音、入眠サポートなど機能はさまざまなので、ご自身のニーズに合わせて選んで試してみると良いかと思います。]

※基本は無料で下記のような機能がありますが、その他有料の機能もあり。

睡眠改善したい人には

睡眠時間や睡眠の深さを記録するアプリ

※どちらもAppleWatchと連携することで測定精度が向上します。

● Somnus
睡眠の質を計測、傾向を分析し可視化。AIを使用して的確にいびきや寝言等を検知、また睡眠中の騒音レベルも計測可能。計測したデータから、眠い時間帯、朝起きた時、寝る前など、様々なシチュエーションに合わせた睡眠を改善する行動をスケジューリングしてくれ、自身の悩みにあった睡眠改善の方法が分かる。眠りの浅い時間にアラーム、睡眠導入音楽も豊富。

● Sleep Cycle
加速度計を使用してユーザーの睡眠を追跡し、浅い睡眠と深い睡眠のトラッキング、覚醒時間の記録、睡眠データをグラフとして表示し、睡眠サイクルの変化を視覚で確認できる。睡眠時の状況を記録し、分析することで睡眠習慣の見直しにつながる。睡眠時にリラックスできるように音楽や自然の音が選べ、眠りの浅いレム睡眠の時にアラームを鳴らして起こしてくれる。

● Snore Lab
いびき音を録音し、いびきの頻度と強度をトラッキングしてグラフ化。録音したいびき音を、時間と日付に関連付けて保存することで、いびきの変化やパターンを記録することができる。また、スリープノートに、いびきの発生に影響を与える要因や特定の出来事を記録することで、いびきの原因特定に役立つのでいびき改善のステップとなる。

● Pzizz
睡眠の質を向上させるため、豊富な音楽やガイド付き瞑想、物語の読み聞かせ等のオーディオコンテンツを提供。好きな音楽や自然の音をカスタマイズして、オリジナルのスリープサウンドでリラックス効果を高める。また、睡眠中の音を録音して、寝言やいびきの回数をカウント、睡眠状態をリサーチ、グラフ化して睡眠の深さも可視化できる。

● Alarmy (おこしてME)
非常に効果的なアラームアプリで、設定されたアラームが鳴ると、特定のタスク(例: 写真を撮る、スマホを振る、迷路や数学の問題を解くなど)を完了するまで停止できない。脳を活性化することによって目を覚ますことができる。その他、スヌーズの使い過ぎを防ぐ設定や、アラーム音も爆音から穏やかな音まで幅が広い。

睡眠ってそんなに重要?

毎日当たり前に眠っているので、改めて考えたことがないかもしれませんが、以下に挙げるように睡眠は人間の身体にとって非常に重要な生理的活動なのです。

・脳機能の回復:睡眠中に脳の機能が回復し、情報の整理や記憶の強化が行われます。不十分な睡眠は認知機能や判断力の低下につながる可能性があります。

・身体の修復と成長: 睡眠中に身体は修復プロセスに入り、細胞の再生や成長が促進されます。特に、免疫機能の強化に重要な役割を果たします。

・ホルモンバランス: 睡眠はホルモンのバランスを維持し、ストレスホルモン(コルチゾール)の制御や食欲調節に影響を与えます。

・情緒と精神的健康:良質な睡眠は情緒の安定とストレスの軽減に寄与し、うつ病や不安症状の予防に役立ちます。

 

質の良い睡眠をとるために

睡眠の質を上げるためには、以下のような点に気をつけると良いとされています。

  • 生活リズムを整え、毎日同じ時間に寝床につくよう心がけましょう。
  • 日中はできるだけ日光を浴びましょう。
  • 適度な運動を心掛けましょう。ただし、就寝前には軽いストレッチ程度がお勧めです。
  • 快適な寝具を使用し、リラックスできる寝衣で眠ることが大切。
  • 就寝前に、SNSのやり取りや動画を見ること等は避け、静かで暗い寝室を維持しましょう。
  • 寝室の温度調節も大切です。暑すぎず寒すぎない温度。就寝1~2時間前に入浴をしてからだを温めてから寝床に入ると良いでしょう。
  • 夕食は就寝3時間前までに済ませ、寝る直前に食事や刺激物(カフェインやアルコール)を摂らないようにしましょう。
  • リラックスして就寝前にストレスを軽減しましょう。深呼吸や瞑想などが役立つことがあります。

質の良い睡眠をとるためにできることは、頭では分かっていてもなかなか向き合うことが難しいかもしれません。

そういった時こそIT技術を上手に活用して、先に紹介したようなアプリを使っていくと便利ですね。まずは睡眠と向き合うことを意識していきましょう。

 

当院では睡眠時無呼吸症候群の診療を行っております。睡眠についてご不安やご心配があれば、お気軽にご相談ください。

 

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