睡眠時無呼吸症候群と交通事故の関係

睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に呼吸が止まる(無呼吸・低呼吸)状態を断続的に繰り返す病気です。呼吸が止まると十分に睡眠がとれなくなるため日中強い眠気を感じたり、居眠りを繰り返すことになります。
睡眠時無呼吸症候群の患者は健常者の約7倍交通事故を起こしやすいとの統計が出ています。

平成14年6月の改正道路交通法では免許の拒否・保留・取り消しまたは停止の対象として重度の睡眠時無呼吸症候群をあげています。
睡眠時無呼吸症候群が関与した交通・運輸事故の事例を紹介します。

 

2002年 和歌山
乗用車が対向車線にはみ出し軽乗用車と正面衝突。2人が重軽傷。乗用車の運転手は中等症から重症の睡眠時無呼吸症候群と診断

2003年 岡山
山陽新幹線で運転士が居眠りをしたまま運転。緊急停止装置が働き死傷者はなし。

2008年 愛知
大型トレーラーが赤信号の交差点に進入し、横断歩道を横断中の男性を死亡させた。運転手は起訴後に重度の睡眠時無呼吸症候群であることが判明。→懲役5年の実刑判決

2009年 長崎
遊漁戦が岩場に衝突し釣り客ら3人が死傷。船長がSASで慢性的な睡眠不足であったことが判明。→業務上過失致死傷にて書類送検

2012年 群馬
関越自動車道で走行中のツアーバスが運転手の居眠りにより防音壁に衝突。乗客45人が死傷運転手には睡眠時無呼吸症候群症状が確認された。→運転手に懲役9年6か月、罰金200万円の実刑判決

2018年 横浜
信号待ちの乗用車と市営バスに路線バスが追突。1人死亡、6人重軽傷。運転手は前年に睡眠時無呼吸症候群と診断されており関連が疑われている。

これらは睡眠時無呼吸症候群が事故に関連していると思われる事故の事例ですが、睡眠時無呼吸症候群があることにより自分や他人を命に危険にさらし、加害者となる危険性をはらんでいるのです。
また運転のみならず高所で作業される方や、居眠りをすることで巻き込まれたりするような機械の近くで従事される方も注意が必要になってきます。

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