直腸がん|人工肛門になることがある理由と早期発見の重要性

著名人のがんに関する報道をきっかけに、健康やがんについて改めて考えるという方もいるのではないでしょうか。

日本では、2人に1人が一生のうちに何らかのがんと診断されるとされており、がんは、私たちにとって身近な病気の一つです。
一方で、がんは発生する部位によって症状や治療方法が異なり、治療によっては身体の機能や、その後の生活に変化が生じることもあります。

その一つとして知っておきたいのが、大腸がんの一つである直腸がんです。

直腸は肛門につながっているため、がんができた位置や進行度によっては、治療のために人工肛門(ストーマ)が必要となることがあります。人工肛門があっても日常生活を送ることはできますが、排便の方法が変わることで、これまでとは異なる生活上の変化や負担が生じる場合があります。

だからこそ、直腸がんはできるだけ早い段階で発見し、適切な治療につなげることが大切です。

今回は、直腸がんの症状や治療、人工肛門になるケース、そして早期発見が大切な理由について解説します。

 

大腸がんの一つ「直腸がん」とは?

大腸は、食べ物が消化・吸収されたあとに残った内容物から水分を吸収し、便を形成します。大きく「結腸」と「直腸」に分けられ、その最後に位置するのが直腸です。直腸は肛門につながっており、便を一時的にためて、排便するまでの役割を担っています。

この直腸にできるがんが「直腸がん」です。

直腸は骨盤の中にあり、肛門に近い位置にあります。そのため、直腸がんでは、がんがどこにできているのか、特に肛門からどのくらい離れているのかが、治療方法を検討するうえで重要な要素となります。
治療によっては、その後の排便の方法や生活にも影響する可能性があるため、できるだけ早い段階で発見し、病状に応じた治療につなげることが重要です。

 

直腸がんにはどんな症状がある?

直腸がんでは、血便や便通の変化など、排便に関する症状が現れることがあります。代表的な症状には、以下のようなものがあります。

  • 血便(便に血が混じる、便の表面に血が付着するなど)
  • 便が細くなる
  • 便秘や下痢を繰り返す
  • 排便後も便が残っているように感じる
  • お腹が張る

中でも特に注意したいのが「血便」です。血便は痔などでも起こりますが、大腸がんでもみられる症状の一つです。特に、血便が繰り返しみられる場合や、普段とは異なる出血がみられた場合には、「痔だろう」と自己判断しないことが大切です。

また、がんからの出血が続くと貧血を起こし、めまいやだるさなどの症状につながることがあります。さらに、病状が進行すると、腸が狭くなることで便が出にくくなったり、腹痛や吐き気・嘔吐などが起こったりする場合もあります。

ただし、早期の直腸がんでは、はっきりとした症状がみられないこともあります。そのため、症状だけでは直腸がんの有無を判断できないことにも注意が必要です。

 

直腸がんになると人工肛門になる?

直腸がんの治療は、がんの進行度を示す「ステージ(病期)」だけでなく、がんができた場所や大きさ、深さ、リンパ節やほかの臓器への転移の有無、身体の状態などを考慮して決定します。
治療には、内視鏡治療、手術、薬物療法、放射線治療などがあり、病状に応じてこれらを組み合わせることもあります。

なかでも、直腸がんの治療で知っておきたいのが「人工肛門(ストーマ)」です。

直腸は肛門につながる位置にあるため、がんが肛門に近い場合などには、肛門の機能を保ったまま切除することが難しくなります。その場合は、がんのある直腸と肛門を切除し、腹部に腸の出口をつくり、便を体の外へ出す「人工肛門(ストーマ)」が必要になることがあります。

人工肛門には永久的なものと一時的なものがあります。

  • 永久的人工肛門:がんの位置や進行度などから肛門を残すことが難しい場合に造設し、生涯にわたって使用するものです。
  • 一時的人工肛門:腸をつないだ部分を保護するなどの目的で、一時的に便の流れを変えるために造設し、腸の状態が回復したあとに閉鎖するものです。

近年は、手術技術の進歩や、手術前の薬物療法・放射線治療によって、肛門を温存できる場合もあります。それでも、がんの位置や進行度によっては、人工肛門が避けられないことがあります。

 

人工肛門になると、生活はどう変わる?

人工肛門を造ると、これまで肛門から排泄していた便が、腹部に造られたストーマから排泄されるようになります。

人工肛門を造ったあとも、食事や入浴、外出など、基本的にはこれまでと同じように日常生活を送ることができます。一方で、ストーマの周囲や装具を貼る部分の皮膚がかぶれたり、便が漏れたりするなど、生活上のトラブルが生じることもあります。また、装具は定期的に交換する必要があるため、装具の交換や管理など、これまでとは異なる負担が生じる場合もあります。

そのため、人工肛門が必要になった場合には、ストーマのケア方法や生活上の注意点について医療スタッフから説明を受け、必要なサポートを受けながら生活していくことが大切です。

 

人工肛門を造ったあとも、食事や入浴、外出など、基本的にはこれまでと同じように日常生活を送ることができます。一方で、ストーマの周囲や装具を貼る部分の皮膚がかぶれたり、便が漏れたりするなど、生活上のトラブルが生じることもあります。また、装具は定期的に交換する必要があるため、これまでとは異なる管理の負担が生じる場合もあります。

そのため、人工肛門が必要になった場合には、ストーマのケア方法や生活上の注意点について医療スタッフから説明を受け、必要なサポートを受けながら生活していくことが大切です。

 

早期発見が大切な理由

ここまで見てきたように、直腸がんの治療は、がんの位置と進行度に大きく左右されます。

早期に発見できれば、内視鏡治療や肛門を温存する手術を選べる可能性が高まり、身体への負担や治療後の生活への影響を抑えやすくなります。一方、がんが進行すると、より大きな手術や人工肛門が必要となる可能性も高くなります。

また、直腸がんを含む大腸がんは、早期には症状がないことも少なくありません。症状がないからといって安心せず、定期的に検査を受けることが早期発見につながります。

大腸がんの検査「便潜血検査」と「大腸内視鏡検査」

便潜血検査は、便に血液が混じっていないかを調べる検査で、目では確認できないような微量の血液も検出します。便潜血検査で「陽性」となっても、必ずしも「がんがある」という意味ではありません。しかし、大腸がんなどの病気が隠れている可能性があるため、陽性の場合は精密検査として大腸内視鏡検査などを受けることが重要です。

大腸内視鏡検査では、肛門から内視鏡を入れ、大腸の内側を直接観察します。病変の有無や大きさ、形などを詳しく確認でき、必要に応じて組織の一部を採取して詳しく調べたり、ポリープなどを切除したりすることもできます。

このように、便潜血検査と大腸内視鏡検査は、それぞれ異なる役割を持ちながら、大腸がんの早期発見につながる重要な検査です。

このような方は、早めに検査・受診を

  • 40歳以上の方
  • 健診などで便潜血検査が陽性だった方
  • 血便や便通の変化など、気になる症状がある方
  • 血縁者に大腸がんになった方がいる方

早期に発見して適切な治療につなげることが大切です。症状がないうちから定期的に検査を受け、気になる症状がある場合には早めに医療機関を受診しましょう。

 

まとめ

直腸がんは、がんができた場所や進行度によって治療方法が異なります。

特に、肛門に近い場所にできた直腸がんでは、治療のために人工肛門が必要になる場合があり、その後の便方法が変わることで生活にも変化が生じます。
だからこそ、できるだけ早い段階で直腸がんを発見し、適切な治療につなげることが重要です。

「症状がないから大丈夫」ではなく、症状がないうちから検診を受けること。それが、直腸がんを早期に発見するための大切な一歩です。

 

【関連ページ】

≫内視鏡検査ついて

≫便潜血検査で陽性と言われたら

≫おしりから出血!なんの病気?

 

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