食育実践で虫歯予防

みなさんは「虫歯は痛いだけじゃない」って知っていますか?実は、虫歯は痛いから怖いというだけではありません。放っておくと進行して全身にさまざまな病気を引き起こす病気なのです。歯の根っこまで進行した虫歯は、顎の骨を通して全身へ虫歯菌が運ばれていきます。口に近いところで言うと、鼻に菌が侵入して副鼻腔炎になることもありますし、高齢や持病で抵抗力が落ちている方は、菌が動脈へ侵入して脳や心臓に達することで、命に係わる病気を引き起こしてしまいます。人生100年時代、健康に生きるためには虫歯を甘く見てはいけません。食育は生活習慣病予防になるからしっかり学び実践して健康に生きましょうと少し前にブログにしましたが、今回は虫歯予防における食育の重要性についてお話したいと思います。

 

なぜ食育が虫歯と関係あるの?

「食育」とは、「食」に関する正しい知識を身につけ、健全な食生活を送れるようにすることです。それと虫歯とどういう関係があるのか、まず口の中の状況を説明していきます。

  1. 食事をすると、食べ物や飲み物の糖分を餌にして、虫歯菌が歯の表面に「酸」を作る。
  2. 次に歯の表面のミネラル成分を歯が溶かし、後に歯に穴をあける。
  3. だ液の働きで歯の表面が中性に戻り、溶けた出した成分が歯を修復する。

食事をすると、この1〜3の繰り返しですが、規則正しい食習慣は、③の修復する時間が長く保てるので虫歯になるのを防ぐことができます。反対に、だらだらとずっと食べ続ける、間食が多い場合は、酸性になった歯を唾液で中性に戻し歯を修復する時間が短く、虫歯になりやすくなるのです。食育で正しい食習慣を身につけることは虫歯予防につながるということです。

 

食の知識がない男子学生は虫歯が2倍?

2016年岡山大学大学院医歯薬学部のチームは「食育の知識のない男子大学生は、きちんと知識を持っている男子に比べ、虫歯が2倍多い」という興味深い研究結果を発表しています。女子学生についてはダイエットを意識して基本的知識があるせいか「甘味飲料をよく飲む」傾向のある人だけが1.9倍虫歯になりやすいという結果でした。食育でバランスよく栄養素を取ること、甘い食べ物や飲み物を控えることをきちんと理解して、自ら口にするものをきちんと選ぶ力が身についていれば、おのずと虫歯予防につながるという表れかと思います。

 

よく噛むことは健康の基本

よく噛むことで唾液の分泌が多くなり、先に述べた「③歯の修復を行う」ことになる=虫歯になりにくい状態になります。また、よく噛むことでたくさん出る唾液には消化酵素が含まれているので胃腸への負担をやわらげ、胃腸の働きが活発化。そして、食べ物を噛んで咀嚼して飲み込むという一連の動作は脳を刺激、内臓や血管などの体内環境に働きかけるので自律神経も整います。おまけにたくさん噛むことで満腹中枢が働き、食べ過ぎを防げるので生活習慣病予防にもなります。噛むことは良いこと尽くし。「からだの健康は歯から」と言われる理由もわかりますね。このように、普段から当たり前にしている「噛むこと」の大切さを知ることも食育の一つです。

 

噛むことの8大効用『ひみこのはがいーぜ』

ひ:肥満予防
 よく噛んで食べることで満腹中枢を刺激し食べすぎを防ぎます。

み:味覚の発達
 よく噛んで味わうことで味覚の発達につながります。

こ:言葉の発音がはっきり
 歯や顎が発達することで発音がよくなります。

の:脳の発達
 脳神経を刺激することで脳の働きを活発に。認知症の予防にも。

は:歯の病気予防
 唾液が多く出ることにより、唾液中の抗菌作用で虫歯や歯周病予防になります。

が:がん予防
 唾液にはがんを抑制する作用があるため、がん予防に繋がります

いー:胃腸快調
 消化酵素が多く出るので消化吸収をよくし、胃腸の働きを活発化。

ぜ:全力投球
 歯や顎が発達することで嚙み締める力が強くなり体に力が入る。

 

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